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ラム・サバラン

本日17日、地元テレビの「静岡そこ知り」で夢天菓も紹介して頂きました。

今日は番組内で紹介された「ラム・サバラン」についてのお話です。

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サバラン(仏:Savarin)はもともと、19世紀初頭にフランスの美食家ブリア・サヴァラン氏によって
考案されたお菓子とされています。

フランス菓子としては古典的なものなんですね。

夢天菓のサバランは間にカスタードクリームとラム酒漬けのレーズンがはさまっています。
トッピングはホイップクリームと、ドレンチェリーです。

 

サバランがふつうのケーキとちょっと違うのは、スポンジではなくパンで作っていること。

これにたっぷりのラム・シロップを染み込ませるのですが、
生地がパンなためにシロップを染み込ませてもしっかりした食感が残るのが特徴です。

 

ラム酒のシロップを染み込ませたから、「ラム・サバラン」と言います。

(ちなみにこの生地にレーズンが入るとババという名前になります)

 

パンといっても日本人に馴染みのある食パンのようなソフトなものではなく、
バターがしっかり練り込まれた噛み応えのあるパンです。

サバランの生地はパンの種類で言うとブリオシュに似ています。

 

 

今の日本では作っているケーキ屋さんは少なくなったようですが、

昭和の50年頃まではほとんどのケーキ屋さんで売っていました。

 

ただ形はフットボール型で、
斜めにカットしたところにホイップクリームを絞るだけのシンプルなものでした。

当時子供の僕でもちょっとお酒を感じる程度の弱いアルコールだったのを覚えています。

でもラム酒ではなく、ブランデーだったような気もします。

 

 

でもなぜ、今のケーキ屋さんはサバランを作らなくなってしまったのでしょう?

それには、作業性と洋菓子の進化が考えられます。

 

先述の通り、サバランの生地はパン生地で、
洋菓子界ではパート・ルヴェ(イースト発酵生地)と言っています。

 

イースト生地は生地を練ってから30℃ほどで1回目の発酵を行います。

そして膨らんだものを分割してから叩いてガスを抜き、
形を整えたり型に入れたりしてから2回目の発酵を行います。

その後、やっと焼く訳です。

ここまで順調に行って約2時間です。

 

また大量の発酵を行うにはホイロという発酵専用の機械が必要です。

洋菓子にはイースト生地が少ないため、
サバランやブリオシュ等だけのためにその機械を導入せねばなりません。

 

手間と時間と、この機械を入れなければならないことを考えると、
メニューからサバランのようなイースト生地を失くすのは営業的に合理的なのかもしれません。
実際、それ以外のケーキで十分ショーケースは満たせますからね。

 

ちなみに夢天菓は作る量がすくないので、
ボールの中やオーブンの上などで30度を作り上げて発酵しています。

少ない量だからこそ、専用の機械がなくても出来るのです。

だから大量受注は出来ませんし、一度に売れると補充が大変です。

商売的には非合理的と言えます。

 

それを考えると、昔のパティシエさん達は今より厳しい環境で作っていた訳ですから、
本当にすごい事だと思います。

 

 

あとなくなった理由のもう一つの「洋菓子の進化」ですが、

 

今の洋菓子店のケーキはほとんどがフランス菓子をベースに作られています。

このスタイルが確立してきたのは40年ほど前ですが、
その頃はまだ洋菓子の世間的地位が低かった時代です。

その後HANAKOなどの情報誌やカリスマ・パティシエさん達のお陰で
洋菓子は日の当たる場所に向かいましたが、

それに伴い常に新しいものへの執着が定着して、古いものが排除されるようになってきました。

 

サバランもそうですが、バタークリームのケーキ、プリン・ア・ラ・モード、
シベリア、たぬきケーキ、黄色いモンブラン、クリームババロアなどなど。

 

そして新しく生まれるパティシエさんたちも、
常に「最新の洋菓子」からスタートします。

だから、古いケーキを知らずにいる訳です。

 

製菓学校の生徒さんが毎年研修に来ますが、
どうやら学校でもサバランはもう教えていないらしく知らない子ばかりです。

10年前に洋菓子を始めた若きパティシエさんが、もう自分の店を開業する世代になっているので
彼らのケーキは時代を反映する新しいものになっているのは否めません。

 

新しいものを追う事で、古いものが忘れ去られていく。

これが日本の洋菓子の現状だと思います。

 

現在日本の洋菓子は世界でも指折りの存在になっています。

それは常に最先端を行っていることに他なりません。

常に新しいものへ挑戦し開拓したからこそ、進化を遂げていると思うのですが、
その一方で、昭和の時代に「世界に追い付こう」として作り上げた、
日本の洋菓子職人が考えたケーキがなくなって行くのは寂しいものです。

 

僕は40歳になった頃から、古き良き時代のケーキが懐かしくなりました。

そして日本でそれらのケーキがなくなりつつある現状が寂しくなりました。

 

ぼくと同年代、またはそれ以上の人たちが子供だった頃に感動したケーキは、
平成の煌びやかなケーキではありません。

今忘れ去られそうになっているケーキ達なんだと思います。

 

だから、復刻させて残したかった。

 

ただそんな皆さんも長い年月を経て味覚レベルが上がってきています。

当時そのままの味では「こんなはずではなかった」と思うはず。

 

確かに昔の材料はあまりに高価だったために安い材料を混ぜて作らざるを得ませんでした。

だから口でベタ着いたり、モコモコしたり、胃がもたれたりと、
悪い印象を与えてきたのも確かです。

 

でも今は、

バタークリームは100%バターで作っているから、昔のように口にベタ着きません。

チョコレートも良質なものを使っているから風味が良いし、口に入れるととろけます。

全ての材料は、平成の最新洋菓子と同じものなのです。

 

 

「懐かしさ」はそのままに、今の味覚レベルで「美味しい」と感じられる昔のケーキ。

そんなケーキが今必要かなと思い、「昭和モダン」というシリーズを始めた訳です。

 

その「昭和モダン」のなかで一際懐かしがられるのが、
なにを隠そうラム・サバランなんです。

 

50歳代以降の人には懐かしく、

20歳代、30歳代の人には新しいケーキ。

 

その要素だけでも、サバランは価値のある存在と自負しています。

是非もう一度、召し上がって頂ければと思います。

そして若い方には、是非サバランを知って欲しいと思います。

 

昔のケーキ、まだまだ健在です。

 

 

追伸)

先ほども言いましたが、作業上夢天菓では「たくさん作れません」

そのため大変申し訳ないのですが
テレビ放映の直後なので、出来るだけ作りますが売り切れることも予想されます。

 

静岡では「テレビ効果は1週間」と言われていますので、

確実に購入されたい方はしばらくの間お電話でご予約頂くか
ちょっと落ち着いてからお願いします。

絶対廃品にはせず、ずっと作り続けますので。

 

ちなみに18日(火)は連休のためお休みです。

19日(水)より、よろしくお願い致します。

 

 

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【特注ケーキご紹介コーナー】

 

フルカラーイラストケーキ、マジパン細工のご予約の状況を、
『 作成可能日 』 をご提示するようにしております。

夢天菓ではイラストやマジパン細工は作成にお時間がかかるため、
基本的に1日1件限定とさせて頂いております。
お渡し当日までイラストは冷凍状態、マジパンは乾燥状態で保存します。
オーダーを頂いた順に作成日を決め、1日づつ振り分けている訳です。

その振り分けた日が『 作成可能日 』です。

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8月17日(月)現在、

8月のフルカラーイラストのご予約は満杯になりました。
たくさんのご注文を頂き、有難うございました

次回のフルカラーイラストのケーキは9月3日(水)以降のお渡しです。

9月のご予約も入り始めてきました。
これから年末に向かい、ご予約のペースが年々早くなってきております。
ご予定のある方は、イラスト作成日だけでもお電話でご予約をお願いします。

→ 054-257-9005

 

しかしながら上記『 作成可能日 』はあくまで『 フルカラーイラスト 』の場合です。
チョコのみで描き上げる『 線描きイラスト 』は随時承りますので、
一度ご相談頂ければと思います。

ちなみに『 線描きイラスト 』とはこのようなものです↓↓↓↓↓

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それでは本日もご覧ください。

 

 

 

≪ 機関車トーマス ”パーシー“ ≫

【フルーツデコレーション12cm 線描きイラスト(1)】

線描きは細かく描く事も出来ますが、
敢えてシンプルに描くのも違った味が出て素敵です。
立体感や奥行きは線の流れで表現できますし、
何より分かりやすいです。
可愛さをメインに仕上げる時は、シンプル画がいいですね。

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≪ コキンちゃん ≫

【フルーツデコレーション12cm フルカラーイラスト(1)影なし】

おまかせ画像でしたので、スタッフが見つけてくれた画像を描きました。
お客様にはいつも申し上げるのですが、
青の色素はしっかり入れないと「濃い青」にならないため、
食べると舌が真っ青になっちゃうんですね。
もちろん自然に無くなりますが、驚くお客様がいるもので「青メイン」の時はご注意下さい。

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≪ おさるのジョージ ≫

【フルーツデコレーション15cm フルカラーイラスト(1)影なし】

以前ブログでご覧になった絵をご注文頂きました。
でもたまたま原画のコピーが残っていたから描けましたが、
基本的に原画はお客様に返してしまうために、全く同じ画像は出来ない事がほとんどです。
ご紹介した作品を「作品サンプル」と勘違いされているお客様も多いので、
同じ絵は出来ないものと思って下さる方が無難です。
もちろんその画像を取り込んで描くことも可能なのですが、
色合いは「綺麗な原画」を見ながら色づくりしているので、
決して同じ色にはならないのです。
また店頭でご注文頂けないと、大きさやレイアウトのイメージもできませんので、
お受け取り時に「イメージと違う」といったケースも過去にはありました。
よりご希望にあったイラストケーキにするためにも、
お手数でもご来店頂いてオーダーされる事を希望致します。

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≪ プリンセス・プリキュア ”キュア・マーメイド “ ≫

【フルーツチョコデコレーション18cm フルカラーイラスト(1)影なし】

このような絵の場合、本来「影なし」ですと髪の毛はグリーン1色です。
でもそれだとあまりにキャラクター本来のイメージを損ねますので、
そんな時は必要に応じて色分けします。
そしたら髪の毛5色になっちゃいました。
その他の箇所(顔、コスチューム、アクセサリー)は単色になってます。
傾向として、美少女系のキャラクターはこうなることが多いですね。
その手間で喜んで頂けるなら、手間も手間ではなくなります。
オーダーが美少女系なら、「影なし」がお得かも(笑)

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≪ 手裏剣戦隊ニンニンジャー ”スターニンジャー “ ≫

【チョコデコレーション15cm フルカラーイラスト(1)影なし】

こちらも「影なし」ですが、マスクの手裏剣部分だけ色分けしました。
一番目立つ部分に立体感を持たせると際立つかな?と思って色分けしたのですが、
幅が狭かったので今一つ効果が薄かったようです。
でもこれが本来の「影なし」と思って頂ければ幸いです。

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≪ 仮面ライダードライブ ”タイプ・スピード “ ≫

【フルーツデコレーション12cm フルカラーイラスト(1)影あり】

マスクの立体感が出ているのがお分かりでしょうか?
これが「影あり」イラストです。
マスクの赤色部分だけで4色使い分けています。
アニメの「影あり」と違って実写物はより立体感が得られます。
それは、アニメは影が簡略化されており、その原画の通りに影をつけるのですが、
実写物は見てから影の振り分けを考えるので、アニメほど影が簡略化されないためです。
つまりアニメよりもグラデーションが細かくなるので、リアルになる訳です。
実写は描き手にとっては正直難しいお題なのです。

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≪ ラプンツェル ≫

【フルーツデコレーション15cm フルカラーイラスト(1)影あり】

ラプンツェルの画像を検索すると、あまりに色々な顔があるのに驚きます。
何回も描かせて頂いていますが、画像をお預かりするたびに顔がちがうので
毎回違うキャラクターを描いているようです。
違った顔を、毎回違って描くのは簡単なようで難しいですね。
今回のラプンツェルで初めて試した事は、影を2色使ってみたことです。
たとえば手の顔に近い影は濃く、手首の影は薄くといった感じです。
影は、物に近かったり深さがあるほど濃く映るんですね。
だから影の濃さの違いで「高さ」を表現できるのです。
この画像は明るい部分が多く、全体的に白くとんだような画像でしたので、
このような方法を用いました。
何はともあれ、美人さんに描けて良かったです。

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≪ ファインディング・ニモ ”お父さんとドリーとサメ “ ≫

【苺デコレーション15cm フルカラーイラスト(1)影あり】

イラストで、どうしても綺麗に出せない色が2つあります。
ショッキングピンクとインディゴブルー(藍色)です。
基本的にインディゴブルーは限りなく青に近い紫なので、
青に少し赤を混ぜれば良いのかというと、この食用色素ではうまくいかないのです。
このお預かりした画像は全体的に綺麗なインディゴブルーでした。
だから綺麗さに重点を置き、純粋なブルーで描いてみたのですが・・・
やはりサメの重厚感や雄々しさに欠けてしまいました。
でも汚い色で出来上がってしまうよりは良かったと思っています。
この綺麗に出せない2色は結構色々なアニメにも使われているので、
それがメインだといつも悩んでしまうのです。

日本で食用色素で安全と認可されている青色は1つだけ。
何とか綺麗に出来る調合を試行錯誤せねばと思います。

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≪ 似顔絵 ≫

【苺デコレーション18cm 線描きイラスト(1)】

女性の似顔絵を描く時に、描いて良いか悩むのが「笑い皺(しわ)」です。
見た通りに描くと、何歳か歳をとったように見えてしまうからです。
でもとっても楽しそうに笑っている顔であったり、
それが本人の特徴であるなら笑い皺がないと不自然なことがあるので
今回は思い切って描いてしまいました。
幸いオーダー主様も大喜びされていましたので
今回の似顔絵は成功だったようです。
無責任なようですが、ホント似顔絵は毎回ハラハラします。
毎回真剣に描いているんですけどね。

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本日のご紹介は以上です。
オーダー頂いた皆様、本当に有難うございました。

またやむなくお断りしてしまったお客様には改めてお詫び申し上げます。
甚だ勝手ではありますが、次回は是非ともお早目のご注文をお願いし、
描かせて頂ければ嬉しい限りです。

またのオーダーお待ちしております。

 

 

 

それでは本日も長文お付き合い頂き、有難うございました。

 

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