きまぐれ更新ブログ

1993年4月

知人の紹介で香料会社である㈱ナリヅカ・コーポレーションに入社し、
同社経営の洋菓子店「イル・ヴィアーレ」のシェフとして勤務しました。
 
マキシム・ド・パリでの8年間で自信に充ち溢れて臨んだ職務でありましたが、
人徳不足で部下は離れ、経営学が無知だったっため売上を上げることが出来ず、わずか1年弱で
 
同店を閉店に追い込んでしまい解雇されました
 
解雇が言い渡された最後の出社日、帰り際に当時の副社長の野崎氏より餞別を頂いたのですが、
帰ってから包みを開くと、折りたたみ傘と手紙が入っており、手紙にはこう書かれていました。
 
「降り止まない雨はない。今は辛く苦しいだろうが、負けずに頑張ってくれたまえ」
 
この時、副社長の心遣いと、今までに無い挫折感により初めて人として、パティシエとして未熟さを痛感し、
全てにおいて謙虚さをもって一から出直す決意をしました。
 
そのときの傘は今でも大切にしていますし、見るたびに初心に還らせてくれます。
 
この1年は、人生の大きな転機だったと思います。
 
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