調理師学校 卒業後、東京銀座のフランス料理店、マキシム・ド・パリ製菓部に入社しました。
当時のシェフで恩師の植村翁(しげき)氏の下でパティシエとしての腕を磨き始めました。
今思えばマキシム・ド・パリのデザートやケーキは古典的なレシピをベースに作られていたため、
洋菓子の基本を固めるのにはふさわしい店であったと思います。
現に後に自分なりのレシピを作る際、最も役立っているのがここマキシムで習得した知識と技術なんです。
ただ先輩達のいじめが厳しい店で、パティシエを辞めようと思ったことも何度もありました。
しかしそんな中、シェフや一部の先輩が酒を交わしながら励ましてくれたりして勇気をもらい、
洋菓子の修行と同時に反面教師や部下の育て方を教わった場所でもありました。
忘れられないシェフの言葉の一つにこんなのがあります。
「先輩は金使え、後輩は気を使え」
未だに名言だと思います。