今週は第3週のため14日(月)と15日(火)は連休です。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、先週「ババロア」と「ムース」の違いをお話しましたが、
今回もお客様からの質問を紹介します。
今日は「パイ」と「タルト」です。
まず「パイ[pie]」は英語、「タルト[tarte]」はフランス語です。
この場合における「パイ」のフランス語はありません。
また「タルト」の英語は「タート[tart]」と言います。
これらは外来語として日本で定着してしまった言葉なうえ、
言葉だけをオシャレ感覚で多用してしまっているのでゴチャゴチャになり、
「どう違うの?」が発生するんですね。
洋菓子界での分け方は
パイ=表面を生地で覆っているもの
タルト=生地が底(あるいは器状)だけなもの
とされています。
例えば、
クリームとブルーベリーを生地で包んで焼いたら「ブルーベリー・パイ」
クリームとブルーベリーを生地の器に入れて焼いたら「ブルーベリー・タルト」です。
またシート状に焼いた生地の上にクリームとブルーベリーとのせても
「ブルーベリー・タルト」になる訳ですが、
シート状に焼いたものでサンドしたら表面にも生地があることになるので、
これは「ブルーベリー・パイ」と呼ぶことになります。
このように形状によって、名前が変わるんですね。
そして「パイ」や「タルト」の生地は基本的に3種類あります。
フランス語で言うと、
層のように折り込んだ「折りパイ」は「フィユタージュ[feuilletage]」
練って作った塩味の「練りパイ」は「パータ・フォンセ[pâte â foncer]」
同じく練って作ったクッキーのような甘い生地は「パート・シュクレ[pâte sucrée]」
しかしこの3種類を正確な英語にすると、
層のように折り込んだ「折りパイ」は「パフ・ドウ[puff dough]」
練って作った塩味の「練りパイ」は「ショート・ペースト[short paste]」
練って作ったクッキーのような甘い生地は「ビスキット・ドウ[biscuit dough]」
「パイ」や「タルト」という言葉はどこにも出てきませんね。
飽くまで「生地の名前」なので、最終的な「お菓子の名前」ではないのです。
これをみても、「パイ」と「タルト」は形状の違いということが
分かって頂けると思います。
「パイ」か「タルト」と呼べる形状にすれば、生地は3通りの味が可能なんです。
冒頭で
“この場合における「パイ」のフランス語はありません”
と書きましたが、「パイ菓子」と言うジャンルで「ガトー・フィユタージュ」
といったフランス語があります。
フランスでは「パイ」は折りパイの「フィユタージュ」を指します。
良く知られるものではミルフィーユやガレット・デ・ロア、ピティビエ
コンベルサシオン、ショーソン・オ・ポンムなどで、
同じように表面を生地で覆ったものがほとんどなので「パイ菓子」というのですが、
グローバル化した「パイ」というカテゴリーには色々な生地が存在するので、
「折りパイ限定」であるフランス語には“言葉はない”としました。
ただそのフランスの「パイ菓子」という観点から、
日本では「ホームパイ」や「パイの実」、「リーフパイ」という商品が出来たんだと思います。
みんな折りパイのお菓子ですよね。それが「~パイ」という名前になっています。
「アップルパイ」もそうですね。
かたや「エンゼル・パイ」はクッキー生地です。
「何でこれがパイなの?」って思った人もいると思いますが、
“パイにもタルトにも生地は最低3種類ある”ので、
これこそグローバルな「パイ」と言えるでしょう。
「パイ」と「タルト」の違い、分かっていただけたでしょうか?
夢天菓でのオーダーでもタルトをパイにすることも出来ますので、
「表面にも生地のせて“パイ”にしてください」と言うのも承ります。
もちろん、その逆もOKです。
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【特別注文ケーキ&イラストケーキご紹介コーナー】
イラストケーキ、マジパン細工等の作成物は1日1件しか描いたり作ったり出来ません。
イラストは最低お渡しの前日までに描いて冷凍保存、マジパンは乾燥保存します。
そのためどんな作成物も、
「このお客様のイラスト(等)は~月~日に作成する」という予定を立て、
順番にご予約を埋めていくようにしています。
お陰様で8月29日(火)までのご予約はいっぱいになりました。
たくさんのご注文、誠にありがとうございました。
9月のオーダーも結構入り始めました。
9月からクリスマスまでは、ご予約の入るペースが速まりますので、
お早目のご予約をお願い致します。
8月30日(水)以降のご予約状況とご注文方法は
トップページ「新着情報」よりご確認ください。
また詳しいご料金はトップページ「バースデイケーキのご案内」をご覧ください。
それではお待たせしました。
今週もご覧ください。
≪ メロンのショートケーキ15cm ≫
夏の時期に良く入るオーダーです。
メロンらしさを出すためには、
以外にも「酸味」をちゃんと加える事がポイントです。
生のメロンは酸味が少なく甘さが際立つことで美味しいのですが、
ケーキになると話は違うようです。
≪ バタークリームのケーキ 15cm チョコレート飾り ≫
ほんのりブランデーを効かせた、
レトロなバタークリームのケーキです。
スポンジとクリームの層をそれぞれ薄くして何層にも重ね、
バタークリームがモコモコしないように作ります。
スポンジが多いので通常の15cmサイズよりもお安くできますが、
チョコレートの飾りはオプションです。
葉っぱとクルクルはチョコレート、花はアイシングです。
≪ ハロー・キティ ≫
【苺デコレーション15cm 立体ケーキ】
立体ケーキでは一番オーダーがおおいキャラクターです。
とは言ってもこの形にクリームをフリーハンドで塗って形作るので、
なかなか複雑なキャラクターは出来ないんですけどね。
目と鼻はマジパン、ヒゲはチョコレートで出来ています。
≪ アンパンマン ≫
【フルーツデコレーション15cm スペシャルクッキー飾り】
型抜きクッキーを飾ったフルーツデコレーション。
クッキーの裏には湿気防止でチョコレートが塗ってあります。
今回「どうしても」ということでアンパンマンの顔のクッキーを作りましたが、
キャラクターが複雑になればこのスペースでは描けませんし料金も上がります。
「なんでも」は描けません。
≪ アンパンマン ≫
【フルーツデコレーション12cm フルカラーイラスト(2)】
飛んでいるアンパンマン、いいですね。
飛んでくる方向に合わせて背景に奥行きを持たせてみました。
今回は女の子の誕生日でしたのでピンクですが、
男の子ならブルーやグリーンで描いたりします。
≪ 似顔絵 ≫
【ナシとラズベリーのケーキ15cmフルカラーイラスト(1)影なし】
向日葵が好きな女の子なので、服も背景も向日葵に描き変えました。
ナシとラズベリーのケーキは今ショーケースに並んでいるケーキの一つで、
ラズベリーババロアとフレッシュの梨をクルミの生地でまとめたケーキです。
小ケーキとはバランスが違ってしまうので、
このホールでは中にも梨がサンドされています。
こちらが小ケーキバージョン。8月末ころまでショーケースに並んでいます。
≪ ステラ・ルー ≫
【フルーツデコレーション15cm フルカラーイラスト(1)影なし】
お客様のご要望で「モフモフ感」を出しました。
でも描き手としてはチュチュのヒラヒラ感の方がお気に入りです。
内緒で隠れミッキーを描いたのですが、分かってもらえたかな?
本日のご紹介は以上です。
やむなくご予約をお断りしてしまったお客様には本当に申し訳なく思っております。
1日1件しか作成できない不甲斐なさをお詫びいたします。
次回は是非お早目のご予約をお願い出来れば嬉しい限りです。
それでは本日も長文お付き合い頂き、有難うございました。