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『ババロア』と『ムース』、どう違う?

こちらは「ウルトラマンジーグ」を描いた、イチゴのババロアです。

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ちなみにイラストの種類は『フルカラー(1)の影なし』ですが、

今日の問題は、

『苺のババロア』と『苺のムース』は
どう違うのか?ということです。

こちらのお客様にも、「ババロアでもムースでも出来ますよ」と振ってしまったばかりに
お客様を悩ますことになってしまいました。
結果としては「それならババロアにしてみるわ」とご納得頂いたから良かったのですが。

 

この問題は僕がケーキを始めたばかりの33年前から
毎年お客さまからのご質問として存在します。

だから皆さんも、一度は疑問に思ったことがあると思います。

 

まずこの2語はフランス語です。
そして結論から言うと『ババロアはムースに含まれる』ということです。

 

『ババロア』というのは、
その昔、ドイツのババリア地方の王室に仕えていたパティシエが、
地元のカスタードに似たドリンクをアレンジして作ったので
「ババリア風=ババロワーズ」で、日本では『ババロア』となって伝わりました。

 

作り方としては、
カスタードソースにホイップした生クリームを加えてゼラチンで固めます。
つまりは、「カスタード入り」というのが基本になります。

 

これに対し『ムース』というのは、
フランス語で「泡、泡状の」という状態を表す言葉です。

基本的には卵白を泡立ててつくる「メレンゲ」というものや
卵黄にシロップを入れて泡立てる「パータ・ボンブ」というものを、
フルーツピューレやチョコレートに合わせて「軽い泡状に仕立てる」のがムースです。
もちろんホイップした生クリームも入ります。

 

昔の生クリームは今のものほど気胞性が高くありませんでした。

だから生クリームを合わせただけのものは「なめらか」にはなったけど、
メレンゲを合わせないと「軽く」はなりませんでした。

 

だから『ババロア』と『ムース』は状態の上で区別がついていました。

 

でも製造技術が進んだ現在では生クリーム自体の気胞性が高まり
メレンゲを合わせなくてもそれなりに軽い状態であるムースに仕立てる事が
出来るようになってきました。

そのため今では生クリームを合わせるだけの『ババロア』も
状態によっては『ムース』と呼べるようになったのです。

 

だから『ババロアはムースに含まれる』のです。

 

『苺のババロア』はカスタードに苺ピューレを加えて生クリームを合わせます。

『苺のムース』は苺のピューレに生クリーム(とメレンゲ)を合わせます。

共にゼラチンで固めます。

味の違いとしては『ババロア』はカスタードの卵がコクや深みを出してくれる一方、
『苺のムース』は苺ピューレの割合が多いので、主材料の苺の味が際立ちます。

 

しかしながら両方ともレシピは無限にあるので、
これは一例としか言えないのが正直なところです。
一般的なところで、大まかに区別させて頂きました。

 

 

いろいろ悩んだ結果、お客様には、


『ババロアはカスタードベースで作るムースを限定して呼び、
  (カスタードが)入らなくても状態が軽ければみんなムースです』

と、説明しています。

 

 

いろいろ書いたら却って分からなくなっちゃいましたか?

 

恐らくどこのパティシエさんも、
一般のお客様に説明するのは苦労していると思います。

これほど生クリームなどの素材の性質が変わってきたり、
作り方そのものが変わってきたりしていることで、
時代に沿った説明をしなくてはなりませんし、
何より消費者さんはその変化を知らずにケーキ屋にのぞんでいる訳ですから。

 

だからまた分からなくなったらいつでも聞いてください。

いつでもお分かり頂けるよう、説明する準備をしてお待ちしております。

 

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【特別注文ケーキ&イラストケーキご紹介コーナー】

イラストケーキ、マジパン細工等の作成物は1日1件しか描いたり作ったり出来ません。
イラストは最低お渡しの前日までに描いて冷凍保存、マジパンは乾燥保存します。
そのためどんな作成物も、
「このお客様のイラスト(等)は~月~日に作成する」という予定を立て、
順番にご予約を埋めていくようにしています。

お陰様で8月29日(火)までのご予約はいっぱいになりました。
たくさんのご注文、誠にありがとうございました。

9月のオーダーも結構入り始めました。
9月からクリスマスまでは、ご予約の入るペースが速まりますので、
お早目のご予約をお願い致します。

 8月30日(水)以降のご予約状況 とご注文方法
トップページ
「新着情報」よりご確認ください。

また詳しいご料金はトップページ「バースデイケーキのご案内」をご覧ください。

 

それではお待たせしました。

どうぞご覧ください。

 

 

≪ イチゴとバナナのチョコデコレーション15cm ≫

イチゴとバナナをサンドしたチョコレートケーキです。
飾りのバナナはチョコレートケーキなのでチョコがけしました。
変色防止にもなるので、一石二鳥です。

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≪ 卵アレルギー対応 イチゴムース ≫

アレルギー体質で一人だけ普通のケーキが食べられない子のために
1ポーションだけ作りました。
「みんな同じアレルギー対応ケーキにすればいいのに」と
思う方もいらっしゃるでしょうが、
アレルギーでない子は誕生日くらい普通のケーキを食べさせてあげたいものです。
「みんな一緒」と言うのは、「みんなが笑顔でいられる」ということです。
そのためなら、1ポーションでもケーキは作ります。

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≪ ホワイトタイガー ≫

【苺デコレーション15cm 線描きイラスト(1)】

「線描きイラスト」が威力を発揮したようなケーキでした。
一部だけ薄く塗ったことで、ホワイトタイガーの白さを際立ちました。
フルカラーは皆さん希望されますが、
画像によっては「線描き」の方が効果的なこともありますし
お値段も安くできるので結構オススメですよ。

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≪ ANA ボーイング787 ≫

【フルーツデコレーション18cm 線描きイラスト(1)】

何分にも細かい部分が多かったので苦労しましたが、
それなりに機体の模様やロゴがハッキリ描けて良かったです。

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≪ アンパンマン ≫

【非加熱乳製品アレルギー対応ケーキ15cm フルカラーイラスト(2)】

熱を加えていない乳製品である生クリームは避けて
豆乳のホイップで作ったイチゴのデコレーションです。
ただ、バターは非加熱でも大丈夫ということでイラストを頼まれたのですが、
一重に乳製品アレルギーといっても、細かくタイプは分かれるのだと痛感しました。
プレートも粉乳が入っているホワイトチョコでなく、
加熱バターのクッキーで作りました。

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≪ ミニオン ≫

【苺チョコデコレーション12cmフルカラーイラスト(1)影なし クッキープレート】

アレルギー対応のケーキはやむを得ずクッキープレートになる事があるので
プレートは本体価格に含まれますが、
通常のケーキの場合は本体価格とは別に料金がかかります。
やはりチョコプレートよりもボリュームあるし、美味しいですしね。

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≪ ハイパーレスキュー ドライブヘッド “ソニックジェット”≫

【苺デコレーション15cm フルカラーイラスト(1)影なし

面によって色を変えたので、ほとんど「影あり」になりました。
こういった細かいメカ系はお得かもしれませんね。
せっかく飛んでいる画像なので、
背景は放射線だけにして飛んでいる感を出してみました。

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≪ コキンちゃんのぬいぐるみ ≫

【フルーツデコレーション15cm フルカラーイラスト(2)】

ちょっとポテッといているのはぬいぐるみを描いたからです。
縫い目をちょっと描くだけでも、それっぽく見えますね。

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≪ 宇宙戦隊キュウレンジャー “ホウオウソルジャー”≫

【苺デコレーション12cm フルカラーイラスト(1)影なし

マスクに赤い透明なシェルがかぶさっているようなので、
それをどういった色で表現すればよいか悩みました。
結果的には色よりも原画になかった光沢のほうが
それらしい雰囲気を出してくれたようです。
透明感を出すのは難しいですね。

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≪ 新世紀エヴァンゲリオン “エヴァ弐号機”≫

【チョコデコレーション18cm フルカラーイラスト(1)影あり

僕もエヴァンゲリオン大好きなので、
いつか描きたいと思いつつ、なかなかオーダーがありませんでした。
今回はお客様に喜んで頂けたし、僕も描けて嬉しかったです。
でもさすがにフォルムをとるのは難しいお題でした。
原画はアニメの一コマだったのですが、出来上がりは原画以上かも?

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本日のご紹介は以上です。

やむなくご予約をお断りしてしまったお客様には本当に申し訳なく思っております。
1日1件しか作成できない不甲斐なさをお詫びいたします。
次回は是非お早目のご予約をお願い出来れば嬉しい限りです。

 

それでは本日も長文お付き合い頂き、有難うございました。

 

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