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ケーキは冷凍しないでね

先日「サバランを10個ほど欲しい」という電話がありました。

有り難いオーダーなので受注を進めていくと、
電話口の年配のお客様はこう言いました。

「冷凍しておけばいつでも好きな時に食べれるわよね?」

 

このお客様、10個のうちほとんどは冷凍して、
食べたい分だけ解凍して食べようと思っていたようです。

 

その言葉に驚いて
「お客様、サバランは冷凍したら美味しくなくなりますよ。冷凍はダメです」
と伝えたら何と、驚愕されました。

 

差別的に言う訳ではないのですが、
ケーキが何でも冷凍できると思っている年配のお客様は
決して少なくありません。

 

それは大きな間違いです。

 

冷凍すると当然の事ですがカチカチになります。
でもカチカチになった事で「しばらく大丈夫」と思ってしまうようです。

 

確かに冷凍庫の中ではしばらく大丈夫です。
問題は、それを解凍した時の状態です。

 

まず泡立った生クリームは気泡が壊れ、水分が流れてドロドロになります。
決してフワッとした状態には戻りません。
しかも冷凍庫の匂いを吸って、悪い風味に変わります。

 

カスタードクリームも同様、コシが抜けてしまいます。

 

そしてシロップが染み込んだサバラン生地はというと、
糖度が高いシロップは中途半端に凍るため、
一部が濃い糖液になり染み出してきます。
そして残った水分が生地に残るので、シャバシャバの味気ない状態になるのです。

 

これはサバランの例ですが、
この他にも焼いたタルト生地は解凍時に結露で水分を含み
湿気た状態になってしまいますし、

フルーツ類は中で水分が凍って組織を破壊し、
解凍時に果肉をブヨブヨにさせて大量の水分を出します。

 

スポンジなどのしっとりした生地は冷凍可能ですが、
それでもしっかりラップやフルーザーバッグに包まないと、
冷凍焼けして水分を奪われ、カピカピになってしまいます。

 

基本的に、ケーキは仕上がった状態では冷凍しません。
それは以上のような理由で品質を著しく落とすからです。

 

ケーキ屋が冷凍しているのは、
型から外す前のムース類やスポンジ類、
小分けにしたフルーツゼリーなどだけです。

それらを必要な分だけ質を落とさないやり方で解凍し、
必要な分だけ仕上げているのです。

 

今はネット販売で出来上がったケーキを扱うようになりましたが、
どれも高品質で送られてくるかというと、決してそうではありません。

どれも来た時は冷凍状態できれいですが、
解凍すると結露したり、水分が染み出たり、形がくずれたりと
悲惨な状態になるものが多いのです。

これから夏に向けて、日本は湿度が高い季節になります。
解凍時の結露が激しい季節です。

 

「今はなんでも冷凍できる」という観念をお持ちの方は
本当に注意して下さい。

 

冷凍できるものと出来ないものを見極め、
冷凍できるなら“きちんと冷凍”して“きちんと解凍”することです。

 

結局お電話口のお客様にはご理解頂き、
その日に食べる分だけのサバランをご購入頂きました。

最後まで「じゃあこっちのケーキなら冷凍できる?」と
諦めきれない様子でしたが、やはり店に来ることが面倒でも、
「美味しく食べたい」という気持ちが優って頂けたようです。

 

冷凍に関する誤解はまだまだぬぐえないものがありますが、
このような例を機会に少しでも理解をして頂けたらと思います。

 

基本的に「仕上がったケーキは冷凍しちゃいけない」
と覚えて頂くのが安全です。

 

すべては美味しく召し上がって頂くためです。
皆さん、周りにこう言う人がいたら教えてあげてくださいね。

 

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【特別注文ケーキ・イラストケーキご紹介コーナー】

 

イラストケーキ、マジパン細工等の作成物は1日1件しか描いたり作ったり出来ません。
イラストは最低お渡しの前日までに描いて冷凍保存、マジパンは乾燥保存します。
そのためどんな作成物も、
「このお客様のイラスト(等)は~月~日に作成する」という予定を立て、
順番にご予約を埋めていくようにしています。

4月、5月のご予約状況とご注文方法は
トップページ
「新着情報」よりご確認ください。

また詳しいご料金はトップページ「バースデイケーキのご案内」をご覧ください。

 

それではお待たせしました。
先週のケーキをご覧ください。

 

≪ハーフ&ハーフ15cm 派手バージョン ≫

最近ではお馴染みになったチョコとイチゴの半々です。
今回は「派手にして欲しい」と言う事で、
イチゴの方に赤いチョコで燃えるような飾りを作りました。

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≪ イチゴとブルーベリーのタルト12cm ≫

定番イチゴタルトにブルーベリーをミックスしたタルトです。
ブルーベリーの存在感を出すために、
いつも塗っているラズベリージャムを
ブルーベリーのゼリーに代えてあります。
見えない所にも、ブルーベリーが詰まっています

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≪ キックス・ハイ ≫

【フルーツデコレーション15cm 線描きイラスト(1)】

線描き(1)は塗りつぶしやトーンが入った、
チョコ1色で描くイラストです。
チョコでダイレクトに黒塗りしたり、
のばして薄い茶色を作ったりします。
所々で「白抜き」を作ることで、
ダイナミクスを表現したりもします。

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≪ ロールパンナちゃん ≫

【苺デコレーション12cm フルカラーイラスト(2)】

背景をハートで埋め尽くしたロールパンナちゃん。
オーダー主様のご要望ですが、
白いマスクが映えるような素敵なデザインですね。
背景を除いて使った色が全部で6色以内なので、
フルカラー(2)で描かせて頂きました。

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≪ 千と千尋の神隠し “千と白” ≫

【苺デコレーション12cm フルカラーイラスト(1)影なし1.5キャラ】

12cmという狭いスペースで2人を描いたので、
大事な表情が上手く描けるか心配でしたが、
何とか雰囲気は出せたようです。
こんなに小さくても影が付けばそれなりに大変な作業なのですが、
「影なし」でオーダーを頂いたので1.5キャラのお値段で
描かせて頂きました。
色着けよりも、チョコで下絵を描く方が大変だったイラストです。

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≪ FCバルセロナ ≫

【苺デコレーション15cm フルカラーイラスト(2)】

FCバルセロナのエンブレムに、
お子様の名前を入れて描きました。
さすがスペインのユニフォームは色のセンスがよく、
微妙な色合いを出すことは日本の色粉では無理でした。
イメージはなんとか出せたかな?
まずは喜んで頂けて良かったですw

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≪ リトル・マーメイド “アリエル” ≫

【フルーツデコレーション15cm フルカラーイラスト(1)影なし】

「影なしイラスト」で気を付けるのは、
原画にない線を描き加えて「影を補う」ことです。
髪の毛などは影を付けると余分な線がなくても
髪の流れが分かって立体的に見えるのですが、
単色に塗りつぶす「影なし」は線で立体感を出さねばならないのです。
そのまま描いてしまうと、薄っぺらい絵になってしまうんですね。
絵によってはどうしても線を足せないものもあるので、
そう言った場合は一部の線を太く描いて
絵に厚みを付けるようにしています。

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≪ 小さなプリンセス ソフィア ≫

【苺デコレーション15cm フルカラーイラスト(1)影あり】

髪にも、肌にも、それぞれ5色に色分けして描いているので
ナチュラルな立体感が出せました。
この子は鼻が低いので、
鼻の枠を描かずに影だけで描く方が自然ですね。
「影ありイラスト」だからこそ出来る技法です。

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≪ 仮面ライダーエグゼイド “ゲンム” ≫

【苺デコレーション15cm フルカラーイラスト(1)影あり】

元が真っ黒な仮面ライダーなので、
どう影を付けるか悩みどころでした。
結局写真を見ながら「見えた色を見えた箇所に入れる」事を繰り返し、
このように出来上がりました。
マスクの上面はメタリックな質感で
空が写っていたのでこんな色なんです。
「ここまで写実的にならなくてもいいかな?」とも思いましたが、
アウトドアの雰囲気を出すため、このように塗りました。

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本日のご紹介は以上です。

やむなくご予約をお断りしてしまったお客様には本当に申し訳なく思っております。
1日1件しか作成できない不甲斐なさをお詫びいたします。
次回は是非お早目のご予約をお願い出来れば嬉しい限りです。

 

それでは本日も長文お付き合い頂き、有難うございました。

 

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