きまぐれ更新ブログ

静蓮杏仁豆腐

夢天菓が2001年に開店して以来、

ケーキ屋なのにケーキを抜いてダントツ人気の「杏仁豆腐」。

 

ツルンとしたなめらかな喉越し、

しっかりした味ながら甘さがほどよく、スッキリしているのはもちろんのこと、

何より驚かれるのは舌の力でホロッと崩れる儚い食感にあります。

 

2015年7月10日より改名しまして、

「静蓮杏仁豆腐(せいれんあんにんとうふ)」とさせて頂きました。

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内容は今までと変わりませんが、

現在、より美味しくさせるために微調整を試みています。

 

 

そもそもケーキ屋に杏仁豆腐があること自体不思議に思われる事も多いのですが、

知らないお客様のために改めて、お話させて頂きたいと思います。

 

 

シェフのぼくが大の杏仁豆腐好きというのも大きな理由ですが、

何より、親友の存在が大きく関わっています。

 

 

10年ほど前まで、小田原に静蓮(せいれん)という中国料理店がありました。

ここの店主は平野といって、シェフの調理師学校からの大親友です。

彼は東京赤坂の四川飯店で修業を積み、

20代で自分のスタイルを編み出して静蓮を開業しました。

 

修業時代に何度か四川飯店に食べに行ったのですが、

そこの杏仁豆腐の美味しさに度肝を抜かれました。

ところが静蓮の杏仁豆腐には、さらに度肝を抜かれました。

 

平野は四川飯店の杏仁豆腐を改良して、より極まった杏仁豆腐を作りだしたのです。

 

ちょっとオーバーかもしれませんが、
初めて静蓮の杏仁豆腐を食べた時はまるで極楽浄土のスイーツを食べているようでした。

 

口のなかであまりに優しくほどけていく食感に、鼻の奥を通り過ぎるように香る杏仁の香り。

その杏仁豆腐が、しっかりと砂糖の味がする少なめのシロップに引き立てられていました。

 

平野は料理に関してはとてもストイックでした。

だから彼の料理は強さ、優しさ、鋭さ、儚さなど、無限の表情を持つほど多様であるのに、

一貫して素材を生かす味付けや食感に長けていました。

彼は親友ですが、料理人として尊敬に値する存在であり、

作る料理はすべて、本当に崇めるほどの美味しさでした。

 

そして杏仁豆腐も例外ではなかったのです。

お世辞でなく、静蓮の杏仁豆腐は僕の中では日本一でした。

 

 

その数年後、僕が夢天菓を開店した際、

彼にとんでもないお願いをしました。

 

「お前の杏仁豆腐を、洋風にアレンジしたい。」

 

 

なぜとんでもないか。

レシピと言うのは、料理人が苦労に苦労を重ねて作り上げた魂のようなもの。

それをそのまま使うならまだしも、「洋風にアレンジ」するなんて侮辱になりかねないからです。

でも、どうしても「自分的日本一」の杏仁豆腐をベースに作りたかった!

 

でも彼はこう言ってくれました。

 

「うんいいよ。なんだ水くせぇな、何でも聞いてくれ」

 

そう言ってその場でレシピを教えてくれました。

平野の懐の深さに感謝し、嬉しさで希望が湧いてくるようでした。

 

 

「ところで、洋風にするってどうするんだ?」

 

平野に聞かれたので、ざっくばらんに話しました。

 

 

「お前の杏仁豆腐は水と乳分では水の方が多いよな。
だから油を多用する料理のあとで、とてもスッキリさせてくれるんだ。

 でもな、その分単独で食べるとスッキリしすぎていて満足感がないんだ。

 だから俺は乳分の割合を多くして生クリームも加え、単独で満足感のある味にしたいと思ってる。

 ただ、お前の杏仁豆腐の命と言える“食感”はそのまま残したい。」

 

 

そう話すと平野は「なるほどね」と言って感心してくれました。

そして試作を繰り返し、出来上がった洋風杏仁豆腐を平野に食べてもらったところ、

 

「お前、すごいな!うん、これは美味いよ!」

 

と、太鼓判を押してくれました。

嬉しくてたまりませんでした。

こうして夢天菓の杏仁豆腐は誕生しました。

 

 

あれから14年、特に宣伝せずとも杏仁豆腐は口コミで広がり、

自然に夢天菓のダントツ人気メニューになりました。

平野のお陰に他ならないと、今でも感謝しています。

また平野は自分の杏仁豆腐は配送できないからと、

お中元やお歳暮に、夢天菓の杏仁豆腐をよく使ってくれました。

僕にとっては、誰がオーダーしてくれるより嬉しい事でした。

 

 

平野は度々、色々な人に夢天菓の杏仁豆腐のことを語ってくれていました。

夢天菓の杏仁豆腐が売れている事を誰より喜んでくれていたのは平野でした。

 

 

そんな今月の6日、平野が他界しました。

かれは40歳で腎臓を悪くし、透析をする生活を余儀なくされました。

同時に店を運営できず、静蓮は人気絶頂の最中閉店しました。

しかしその後も「食」に携わり、最近では無農薬野菜や無添加食材の良さを広める活動をし、

同時に特に有害な農薬や食品添加物について警鐘をならすセミナーを行っていました。

しかし無理が祟ったのか突然の脳出血により、突然この世から去ってしまいました。

 

先々週ブログを休んでしまったのは、彼を失った悲しみがあまりに強く、

ブログに手をつけられなかったからなのです。

本当に申し訳ありませんでした。

 

 

今回杏仁豆腐を「静蓮杏仁豆腐」に改名したのは、

生みの親である平野に感謝と敬意を表し、

彼が生きてきた証をずっと残したいと思ったからです。

もちろん平野のご遺族も了承済みで、とても喜んでくれました。

 

正直、まだ平野から「よぉ、お疲れぇ」と電話がかかってきそうでなりません。

「杏仁豆腐さ、静蓮杏仁豆腐に改名したよ」と教えてあげたいです。

今思えば、もっと早くから改名してあげていたらよかったと後悔しています。

 

 

冒頭でもお話しましたが、

いま微調整をしてより美味しくする試みをしています。

実は夢天菓が洋風にアレンジした際、

テイクアウト用ということで、平野のオリジナルより少々硬めに作ったのです。

それをこれからギリギリまで平野の杏仁豆腐の硬さに近づけようとしているのです。

 

微調整が完了すれば、

より美味しいオリジナルの杏仁豆腐に近づきます。

これが、せめて平野への供養になればと思っています。

 

 

世間から見れば、なんの変哲もない杏仁豆腐ですが、

パティシエと料理人の生き様が一つ一つに溶け込んでいます。

食べた人には、きっとそれが笑顔となって伝わると思います。

 

 

これからも平野の料理人魂を絶やさず、

杏仁豆腐を作り続けていきます。

 

 

「静蓮杏仁豆腐」、そこらの杏仁豆腐とは一味ちがいます。

食べていないお客様は是非一度お試し頂きたいです。

 

また今までもご愛顧賜っているお客様、

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

 

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【特注ケーキご紹介コーナー】

 

イラストケーキ、マジパン細工のご予約の状況を、
『 作成可能日 』 をご提示するようにしております。

夢天菓ではイラストやマジパン細工は作成にお時間がかかるため、
基本的に1日1件限定とさせて頂いております。
お渡し当日までイラストは冷凍状態、マジパンは乾燥状態で保存します。
オーダーを頂いた順に作成日を決め、1日づつ振り分けている訳です。

その振り分けた日が『 作成可能日 』です。

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7月22日(水)現在、7月の作成可能日は  29(水)のみです。

8月のご予約は、6(木)以降で承ります。

ご予定のある方は、イラスト作成日だけでもお電話でご予約をお願いします。

→ 054-257-9005

 

しかしながら上記『 作成可能日 』はあくまで『 フルカラーイラスト 』の場合です。
チョコのみで描き上げる『 線描きイラスト 』は随時承りますので、
一度ご相談頂ければと思います。

 

それでは本日もご覧ください。

 

 

≪ 苺のミルフィーユ 5号 ≫

ミルフィーユのパイ生地である折りパイは寒い時期でないと作れないので
在庫がなくなったら一時終了です。在庫は今回でなくなりました。
さて、通常ミルフィーユはカスタード・クリームをはさみます。
何故かというと水分量が幾分少ないために、パイのサクサクが長もちするのです。
でも今回は「生クリームサンドのが食べたい!」というご希望でしたw(◎o◎)w
生クリームは半分以上が水分なので、パイの寿命が極めて短いのです。
「出来れば2時間以内に食べてくださいね」という条件付きでお受けしました。
美味しく召し上がれたでしょうか?

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≪ メロンショート12cm カラード・クリーム仕様 ≫

「おー!アメリカンケーキのようだ!」
緑色に着色したクリームで作って欲しいという事でこのようになりました。
でもカラード・クリーム(着色したクリーム)はロスが出るので割高料金になります。
15cmでプラス100円です。
このほかピンクや黄色、青や紫も可能です。
でもあまり濃い色だと、舌も着色されちゃいますよ(笑)
すぐに取れますけどね。

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≪ 介護食の水ようかん ≫

デイサービスの企業様からのオーダーです。
流動食に近いものしか召し上がれないのだけれど、
何か作ることはできないか?との事でしたので、
通常より柔らかめの水ようかんでフルーツを使わず
柔らかいフルーツゼリーでデコレーションしました。

どんな菓子でも、召し上がるご本人に喜ばれる状態が必要です。
いかなる場合でも、最善の状態に仕立てます。

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≪ フルーツタルト2種 ≫

一重にフルーツタルトといっても、台を変えることで全く違った味わいになります。
上の画像はパイで作った器にカスタード・クリームとスポンジを重ねたもの。
下の画像はクッキー生地にフィリング(焼き専用生地)を詰めて焼き上げたものです。

もちろん逆にクッキー生地の器にカスタード・クリ―ムでも良いですし、
パイ生地にフィリングを詰めて焼き上げるのもOKです。
その他にもしっかり焼いたバターケーキを台にしても美味しいですし、
ブリオシュみたいなパン生地で台を作るのも面白いですね。
いずれも、フルーツとの間にはカスタード・クリームがありますが、
これも生クリームに変更したりも出来ます。
お客様によっては、
「クリーム嫌いだから、その分フルーツ多めにしてください」なんていうオーダーも。

「夢天菓の通常」はクッキー生地にフィリングを詰めて焼き上げるタイプなので、
これ以外がいい方は遠慮なく言ってください。

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こちらがクッキー生地で焼き込んだタイプ。

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≪ 手裏剣戦隊ニンニンジャー “モモニンジャー” ≫

【プレーンチーズケーキ15cm マジパン細工】

マジパンはアーモンドと砂糖をペースト状にした食材です。
このマジパンは粘土細工のように色々な造形が出来るのですが、
湿気に弱いという欠点があります。
この日も大雨。少し冷蔵庫に入れておいたら、こんなに濡れたようになってしまいます。
お客様にはオーダー時にご了解を得ましたが、
出来れば乾燥した冬場に受けたいオーダーです。

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≪ 妖怪ウォッチ “ジバニャン?” ≫

【栗と薩摩芋のモンブラン18cm フルカラーイラスト(1)影あり】

モンブランのホールは通常、上半分がドーム状ですので、
イラストは「チョコプレート仕様」になり、フルカラー不可能になります。
でも今回は「何とかならないか?」と懇願され、
はじめて表面が平らなモンブランに挑戦しました。
出来るもんですね(笑)
但しイラストは18cmサイズなら一回り小さい15cmサイズになります。
15cmならイラストは12cmサイズです。
もう今回は「これは・・・ジバニャンですか?」ということより、
モンブランでフルカラーイラストが出来た事が素晴らしいです。
大変よい機会を頂き、ありがとうございました。

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≪ ミッキーとミニー ≫

【チョコレートケーキ15cm フルカラーイラスト(1)影なし】

絵柄は全てお任せ頂いたので、スタッフが良い画像をネットで探し出してくれました。
チョコレートケーキだったので、チョコ色のドットを背景にして絵が引き立つようにしました。
落ち着いた仕上がりですが、とても上品ではないですか?

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≪ しろたん ≫

【フルーツデコレーション15cm フルカラーイラスト(2)影なし】

全体写真がボケてしまったので、真上からの写真のみで失礼します。
絵本のキャラクターなのですが、いつもと違うのはベースの線枠が薄いチョコ色であることです。
フワフワしたイメージのキャラでしたので、
黒い枠だとタイトなイメージになりそうだったからです。
絵柄が単純なだけに「色が醸し出す印象」は大事ですね。
背景の雲は絵本の表紙にあったので描いてみました。

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本日のご紹介は以上です。
オーダー頂いた皆様、本当に有難うございました。

またやむなくお断りしてしまったお客様には改めてお詫び申し上げます。
甚だ勝手ではありますが、次回は是非ともお早目のご注文をお願いし、
描かせて頂ければ嬉しい限りです。

またのオーダーお待ちしております。

 

 

 

それでは本日も長文お付き合い頂き、有難うございました。

 

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